職務詳細・内容は「職務経歴書のベース」と呼ぶべき部分です。わかりやすくしようとポイントを絞りすぎると、履歴書の職歴欄と変わらなくなってしまいます。
また、書いているうちに熱が入りすぎ、意欲のアピールだけになってしまうのは職務詳細・内容とは言えません。では、何にポイントをおけば読みやすいのでしょう。すっきりした職務詳細・内容の書き方をご紹介します。
職務詳細・内容とは
職務詳細・内容と簡単に言っても、ただ時系列に職歴を書いていけばいいものではありません。それでは履歴書の職歴欄と変わらなくなってしまいます。逆を言えばフォーマットのない職務経歴書は、書き方を工夫することであなたの文書作成能力をアピールする最強のビジネス文書になるのです。
職務詳細・内容を書くポイント
要点を絞ったとしても、ただダラダラと書いていては文字の羅列になっただけで読みにくいだけです。それを防ぐためには
・応募企業のニーズや職種のニーズに沿った情報を優先して書く
・表を作って項目を作り、箇条書きにする
この2点を意識しましょう。
また、転職回数が多い場合や勤務年数が短いからといって省略してはいけません。職歴はすべて記載してください。
今まで経験したことのない業種にチャレンジする場合は、応募する職種のニーズとは違うことを経験してきているかもしれませんね。その場合はこれまでの業務内容でアピールするのではなく、コミュニケーション能力やプロジェクト推進力、協調性など、応募先の企業でも活かせる能力をアピールするようにしましょう。
職務経歴書の書き方には大きく分けると「編年体式」と「キャリア式」と呼ばれる二つがあるのですが、それぞれアピールできるポイントが少し違ってきます。それぞれの特徴を知って、より職務経験をアピールできる方式を選びましょう。
【編年体式】時系列に沿って業務内容を伝える書き方
時系列に沿って、配属、異動、昇進などをポイントにしながら、職歴を年代順に並べていく書き方です。実績や成果はその間の出来事として職務内容に続けて記載します。
時系列でプロセスを通して見ることで、採用担当者は応募者の能力や適性の伸展性の判断がしやすく、業種を問わず使えます。
最初に【職務詳細】と入力し、その下に「勤務先名」「業種」「勤務期間」「職種」「職位」「雇用形態」を入れていきます。会社の資本金や従業員数を入力するのもいいですね。
職務詳細欄の下に【職務内容】を入力していきます。詳細欄とは別に目立つように項目を作ることで、自分が何ができるのか、何をしてきたのか、採用担当者が一番知りたいことを強調することができます。
会社ごとに枠で囲むなどして、見やすくしましょう。
【職務詳細】
・勤務先
必ず正式名称で入力します。
・業種
勤務先の業種を記入します。
・勤務期間
勤務期間を年月で記入します。和暦・西暦どちらでも良いですが、履歴書で用いたものと揃えましょう。
・職種
従事する仕事の内容のことです。(例)営業職や事務職、介護職など
・職位・役職
最後に就いた役職を記入します。職位・役職等がなければ「なし」で大丈夫です。
・雇用形態
正社員、契約社員、派遣社員、パートタイマーなど雇用契約の種類のことです。
【職務内容】
それぞれの職務で経験した業務内容・業務における自分の役割、成果などを記入します。所属部署名などを最初に入れるとわかりやすくなります。
また、業務内容を文章で書いていくよりも「担当プロジェクト」「役割」「実績」「報奨」などと項目を立てて、体言止めで書くと何の記述なのかわかりやすく、すっきりします。
仕事を通して達成した業績など、業務のうえで会社に貢献したことがあれば積極的にアピールしたいところですね。そういった場合はできるだけ数値化しておくと説得力が増します。
(例)
前年比105%、平均目標達成率110% など
【キャリア式】職務経験を業務内容やプロジェクト単位で伝える書き方
勤務先や年代にこだわらず、担当した業務内容ごとに職歴をまとめるのがキャリア式です。強調したい職務は詳しく、そうでないものは簡略化して書くことができます。
職務内容を中心にまとめるので、実務能力や専門スキルをアピールするのに適しています。技術職、専門職などに最適の書き方です。
キャリア式の場合は表を活用した方がわかりやすく伝えることができます。
最初に【職務】とし、その下に表を作って「職種」「期間」「職務内容」「勤務先・役職」を書いていきます。
・職種
これまで経験した職種ごとに記入します。時系列ではなく、希望職種に関連する職種を一番上に書きます。職種でまとめづらい場合は「〇〇に関する業務」というようにします。
・期間
時間の経過がわかりやすいように年月を書きます。同じ職種でも転職等で期間が変わるのであれば、時系列で記入します。
・業務内容
それぞれの職務で経験した業務内容、業務における自部の役割、成果など具体的に記入します。
(例)
たくさんの利用者様の対応→〇人の利用者様の対応
いろいろな業務→食事介助・入浴介助・排泄介助・認知症ケア など
まとめ
- 職務詳細・内容は、客観的に見た自分の経験を淡々と伝えるようにしましょう。「応募企業のニーズや職種のニーズに沿った情報を優先して書く」「表を活用して箇条書きにする」ことを意識してください。規模や実績などは数字を使うことで客観性が出て、説得力が増します。「編年体式」と「キャリア式」のそれぞれの特徴を比べて、より自分をアピールできる職務詳細・内容を書き上げてください。